お子さんの乳歯が抜けたのに、永久歯がなかなか生えてこないと心配になると思います。
一番相談の多い子供の上の正中の前歯の永久歯は、およそ７歳前後に出てきます。
もちろん個人差があるので６歳ぐらいの子もいれば、９歳まで生えてこない子もいます。

1. ①邪魔なもの（過剰歯など）がある
2. ②歯が隣の歯などにぶつかっているなど、生えてくる方向が悪い（埋伏歯）
3. ③歯が出てくるだけのスペースがない（歯並びの問題）
4. ④先天欠損（永久歯が足りない）
5. ⑤歯茎が厚くて生えてこない（外傷による乳歯の早期脱落など）

1. 過剰歯などの抜歯をおこなう。(小児歯科、口腔外科)
2. 歯茎を開窓して埋伏歯に矯正器具を装着し、ゴムの力を利用して引っ張り出す。(小児歯科、口腔外科、矯正科)
3. あごの成長とともに自然に生えてくるのを待っても永久歯が生えてこない場合は、スペースを作るために矯正治療を行います。（矯正科）
4. 乳歯が抜けるまで使い、抜けた時点でブリッジなどにする。（小児歯科、補綴科）
5. 歯茎をメスで切開するかレーザーで焼き、永久歯が生えてくるのを待つ。それでも自然に生えてこない場合は矯正装置をつけて引っ張り出す。（小児歯科、口腔外科）

６から７歳で心配して相談されるケースのほとんどは⑤歯茎が厚くて歯が生えるのが遅れているだけで、しばらく経過観察すると自然に生えてくることが多いです。
ただし、明確に生えてこない原因がある①から④では早期に対応するケースもあります。
当院には小児歯科専門医、矯正認定医、口腔外科専門医、補綴認定医など各科のスペシャリストが所属していますので、レントゲンやＣＴで診査し、お子さんの年齢、症例に最適である治療法を提案しております。

乳歯が早期に抜けてそのままにしておくと永久歯が生えてくるスペースがなくなり、歯並びが悪くなることもあります。
クラウンループやバンドループと呼ばれる装置が、健全な永久歯の歯並びには必要なケースがあります。（保険適用治療、小児歯科専門医が対応します。）

クラウンループ

バンドループ

０歳から３歳で強い痛みがある場合は、緊急性がありますので提携の長崎大学小児歯科（当院所属の小児歯科専門医が対応します）にて、全身麻酔か鎮静麻酔下で集中治療を行います。お子さんは眠った状態で安全に治療を行います。
４歳以上や痛みがないお子さんの治療は、基本的には練習して恐怖心が和らいでからの治療となります。笑気麻酔やレーザー治療などお子さんが痛みを感じにくい治療を心がけております。
痛みが出た状況からのスタートは、歯科医師、保護者様、お子様いずれにとっても辛い状況です。ぜひ０歳から始める予防歯科（長崎市の歯育て健診）をお願いいたします。